ナイアシン(ビタミンB3)

動物性食品中ではニコチンアミド、植物性食品中ではニコチン酸として存在し、小腸で吸収されます。また、ビタミンBの中では珍しく体内でも合成されます。

働きは?
■ 500種以上の酵素(脱水素酵素)の補酵素として、さまざまな栄養素の代謝→エネルギー産生に関与。
■ 血行改善、脂肪酸やステロイドホルモンの生合成、DNAの修復や合成など様々な機能にも関わっています。

不足すると…?
■ 糖質/脂質/タンパク質すべての代謝に悪影響
■ 肌荒れなどの皮ふ炎や口内炎の原因にも
■ 皮ふ・粘膜、中枢神経系および消化管の症状を特徴とするペラグラを発症する可能性も

過剰に摂取すると…?
■ 血管拡張、下痢や嘔吐、消化管の疾患が起きる可能性があります。
■ 厚生労働省による1日あたりの上限量(耐用上限)は以下のとおりです。


(NE=ナイアシン当量)
(出典:厚生労働省、「「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」)

豊富に含まれている食品は…?(可食部100gあたり)
・まいたけ(乾) 69.0mgNE
・たらこ(生) 54.0mgNE
・なまり節 42.0mgNE
・米ぬか 38.0mgNE
・とびうお(煮干し) 32.0mgNE
・ビンナガマグロ(生)26.0mgNE 
(出典:文部科学省、「食品栄養データベース」)

お役立ちヒント
■ 水溶性のため調理で失われがち(ゆで汁・煮汁に流失)なので注意が必要
■ 精神を安定させるといわれるセロトニン(神経伝達物質)は、ナイアシンと同じ必須アミノ酸のトリプトファンから生成されます。ナイアシンの合成が優先的に行われるため、ナイアシン不足はセロトニン不足の原因ともなります。心の健康維持にもナイアシン摂取は重要です。
■ 「アセトアルデヒド」の分解酵素の補酵素でもありますので、お酒を召し上がる方には特に意識していただきたい栄養素です。
■ トリプトファンと他のビタミンB群と一緒に摂取するとより効率的効果的とされています

>ビタミンB6