2011-06-20
  • 研究開発

研究開発記事(その12)

GMPでは対応不能:加工によりアロエベラジェルの炭水化物組成、重量平均分子量、粒径の分布が大きく変化

【概要】
背景
:アロエベラジェル(AVG)は栄養補助食品の原材料として広く用いられている。国際アロエ科学評議会(IASC)はアロエ製品の原産地と品質について、アセチル化ポリサッカライドパターン、有機酸プロフィールの両基準を定めている。ある種のポリサッカライドはアロエベラ(AV)を含む多数の薬用植物の生物活性に関与している。アロエベラ栄養補助食品が含有する多糖類の量と質ついて、よりよく理解する必要がある。

目的:アロエベラジェルの加工方法による炭水化物組成(CC)、重量平均分子量(MW)、粒径(PS)の分布を測定する。

方法:商業用に栽培された3種類のアロエベラの葉を採取し、天然ジェル(G)と4つのブレンド標本を作成した。ブレンド標本は濾過しないもの(NF)、濾過したもの(F)、濾過せず凍結乾燥したもの(NF/D)、濾過および凍結乾燥したもの(F/D)の4種類である。さらにIASC認証を受けている業者から購入した2種類のアロエベラジェルパウダー(C1、C2)も解析した。HPAECにより全ての標本のCCを測定した。G以外の全ての標本について、HPLC-SECによるMWの分布、Microtrac® PSアナライザーを用いたPS分布に関する追加試験を行った。試験結果CC:1)実験標本 それぞれのアロエベラの葉を構成する主要な糖質にはばらつきがあった:葉2のNFサンプルはグルコースを45.02%、マンノースを38.21%含有していた。葉3はグルコースを28.9%、マンノースを55.2%含有していた。Gの24%はグルクロン酸で、他の実験標本ではこの糖は検出されなかった。ブレンドによりCCに変化があらわれた。NF標本と比較すると、Gはグルクロン酸、アラビノース、ラムノース及びフコースを多量に含有する一方、マンノース及びグルコースの含有量は少なかった。フルクトース及びグルコサミンはNF標本では少量検出されたが、Gでは全く検出されなかった。濾過もCCを変化させた。NF標本と比較してFはマンノースをより多量に、グルコース及びガラクトースはより少量しか含有していなかった。濾過することでキシロース、フコース及びラムノースが除去された。凍結乾燥もCCに影響を与えた。濾過した標本でも濾過していない標本でもグルコースの含有率が増加し、マンノースの含有率は低下した。2)市販品 標本C2と比べ、C1はグルクロン酸、マンノース、ガラクツロン酸及びガラクトースをより多く含有し、グルコースの含有量はより少なかった。MW:1) 実験標本 濾過操作はMW分布に影響を与えなかった。濾過していない標本では凍結乾燥によりMW分布に変化がみられた。凍結乾燥した標本では>10,000-<100,000MWポリサッカライドの含有率が高くなり、<10,000MWポリサッカライドの含有率が低くなった。2)市販品 C1標本ではポリサッカライドのMWが有意に大きかった(C1:23.3%>800,000、C2:40.1%<10,000)。PS:1)実験標本 濾過により、各標本での粒子の大きさが大幅に減少した。凍結乾燥によっても濾過していない標本の粒子サイズがより小さくなった。濾過した標本では、凍結乾燥すると1.94-11μサイズの粒子は事実上除去された。249-592μサイズの粒子の割合は大幅に増大し、592-995.5μサイズの粒子の割合は大幅に低下した。995-2000μサイズの粒子は完全に除去された。2)市販品 C1標本ではサイズの大きい粒子の割合が高かった。

結論:アロエベラジェルを加工すると炭水化物組成(CC)、重量平均分子量(MW)、粒径の分布が有意に変化することを報告する。こうした変化は製品の品質や有効性に影響を及ぼす可能性があるとともに、栄養補助食品のGMPs(適正製造規範)では、それらの問題に適切に対応できない恐れのあることを示唆している。

※本論文はマナテック製品の効果・効能を示すものではありません。マナテックのすべての製品は病気の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

※本論文の印刷、複製、配布などの無断使用を禁止します。


Striking differences in Aloe vera gel carbohydrate composition, molecular weight and particle size distributions following processing will not be addressed by dietary supplement GMPs

Christy Duncan, BS; Jane Ramberg, MS; Robert Sinnott, MNS, PhD

Poster presentation at the 5th Annual Natural Supplements Conference sponsored by the Scripps Center for Integrative Medicine, San Diego, California. January 17-20, 2008

【お問い合わせ】

マナテックジャパン
カスタマーサービスセンター

TEL:03-6630-7569(月-金 9:00-18:00 祝日を除く)
FAX:0120-925-310(無料)
メール:custserv1@mannatech.co.jp